「タイパ」ということばをよく聞くようになりました。「効率の良いことが良いことだ」ということが前提とか暗黙の了解とかになっていますが、果たしてそうなのでしょうか。

「タイパ」ということばからは、すべての過程において時短が求められているような感じがします(実際はそうではないのかもしれませんが)。

すべての過程において時短が求められるなら、「はじめは時間がかかっても、最終的には早くなった」という「急がば回れ」ということばが使いにくくなります。「急がば回れ」に似たことばとして、「土台をつくる」とか「基礎を固める」とか、はじめが肝心ということばはたくさんあります。

それを大切にしないと、「効率化を」焦るあまり、失敗が増えたり、途中の過程を省いたりすることにもなります。量を求めた結果として質を損なうのであれば本末転倒です。(2025.8.18)