ケアの倫理ということばを初めて聞いたのは、岡野さんの講演を聞いてからです。その時は、ケアの倫理が中心ではなかったこともあり、ケアの倫理についての理解はできませんでした。今回、ケアの倫理に関する記事を見て、改めて岡野氏の著書を読む前に、インタビューによるものを読んでみました。
岡野氏は政治学を専門としていることもあるのか、「リベラルな立場からの「支援」って、実は一方的なんですよ。ニーズも把握せずに、「はい、これ配ります」って。ケアの倫理からすると、それはまったくケアじゃない」(P.259-260)と述べています。災害支援にも通じることがあるように思います。
また、岡野氏は「ケアの倫理は、どうすれば公正な正義が実現できるかという正義論に対抗するためにあるのではなく、主として女性たちが被ってきた不正義に目を向け、どう向き合っていくかという問いとしてある」(P.251)と述べ、正義論とケアの倫理の二項対立には興味がないということです。
何か相反することに出会ったときに、それを何とかしようとして、その二つを融合したり、“おいしいとこ取り”をしたりして、解決策を出そうとします。解決策が出たときには満足感もあるかもしれませんが、もしかすると、その解決策は目先の解決策で、本質的な(本当に必要な)解決策ではないかもしれません。その考え方(○○論)が、何のためなのか(何をターゲットにしているか)を理解しておかないと議論が議論にならないように思いました。(2026.3.23.)
(参考・引用図書:『哲学史入門Ⅳ』 斎藤哲也(編) NHK出版新書750 2025年)

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