「人間を人間として充実させるヴィジョンを描くために」という一節は神野直彦氏の受賞の際の宇沢弘文氏のことばとして紹介されています。(P.241)
「利用者のことを人間と思っていますか」ということを時折、職員に投げかけることがあります。投げかけられた職員は、「そんなこと当たり前でしょ」という表情の人もいます。「見ればわかるでしょ」という人もいますが、「見ればわかるでしょ」は表面(見える部分)しか見ていないことになります。そうなると、利用者の行動(見える部分)でしか、その人のことを見ない、「する-しない」、「できる-できない」ということでしか見ない恐れがあります。外見だけの理解では、「~する気持ちはあるけれど、~できない」という心の動き(内面)の理解が難しくなるかもしれません。
「人間を人間として」というテーマは、明解な答えがすぐには出てこないので、もしかするとこれからも何度か書くことがあるかもしれません。(2025.2.17.)
(参考・引用図書:『財政と民主主義』神野直彦 岩波新書新赤版2007 2024年)
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