「ケアの倫理」という用語をよく聞くようになりました。丹木氏も、「いま、「ケアの倫理」が各方面で注目されている」としています。「コールバーグ氏は道徳の問題を権利と規則の問題として捉え、道徳性の発達を認知的発達の一種と見なしたのである。これに対し、(「ケアの倫理」を初めて唱えたキャロル・)ギリガン氏は評価の尺度そのものにジェンダーバイアスがかかっているのではないかとの疑念を表明した」、「権利主体としての個人の自立を基盤に据える「正義の倫理」に対し、愛着関係に根差した自他の利害関心全体への心配りを基盤に据える「ケアの倫理」を対置して見せたのです」と書いています。
コールバーグ氏はギリガン氏の師であるようですが、ギリガン氏の疑念に対してコールバーグ氏は回答をしていますが、特段の修正はなかったようです。その批判と回答の概要を載せた著書は日本では約30年前に発行されています。ギリガン氏の主張が認められるようになるには、時間が必要だったのでしょうか。(2026.3.2.)
(参考・引用図書:『ケアの倫理と現代㊤丹木博一 「正義の倫理」に抗する概念』 2025年11月12日付日本経済新聞 29面)

最近のコメント